前回、
⇒「まどわされない!ネットで見つけた癌の治療方法は本当に効くのか?」
の、続きです。
わたしの家内は「胃がん」になり、胃と脾臓(ひぞう)を全摘してしまった。
「なんとかしたい!」
必死にすがりたい一心でネットを検索すると、たくさんの癌(がん)治療方法が目に入ってくる
それは本当に正しい選択なのだろうか?
とても高額な治療費を払ってでも行う価値があるのだろうか?
ここでは、
・だまされないで見極めるために知っておきたいこと
・ネットで探す時に陥りがちな間違いとは?
を、解説していきたい。
■治療方法を見極めるために知っておきたい3つのこと
1:医師の推薦はあてにならない
いわゆる「キャッチコピー」だけを読んでおどらされるのではなく、冷静に、根拠、理由を確認する。
選ぶ際、ここは時間を掛けたいところ。
「●●医師も推薦!」
なんていう「根拠」では、何の証拠にもならない。
その医師は、販売会社にお金で雇われて宣伝しているだけ。
悲しいことだけど、お金に目が眩んで「広告塔」になっている医師も実在している。
一例として、
がん治療効果をうたった商品の販売を手助けしていたとして東京医科歯科大学名誉教授の医師が書類送検されている(2014.3.10)
この医師は
「他人の研究」をコピーして書いただけの研究結果で、4年以上も違反に荷担し1千万円以上を受け取っていた。
また、
ある「がん放置療法」を唱える医師は「150人の患者さんに試した結果、有効性を確証した」と言っているが
これは前回の記事で書いた、セレクション・バイアスそのもの。
やはり、公平性、信頼性に疑問が残る。
2:詐欺師のやり方とは
基本的に人間は「生(せい)」や「死」を連想させる言葉や情報はどうしても見過ごすことができないもの。
こちらを不安にさせてお金を払わせるテクニックは詐欺師や霊感商法の常套句
いかにも、こちらが「間違った治療方法を行っている」ような錯覚を起こさせ、「早く私のところへ来て下さい」と手をこまねいている。
もう一度、冷静に「患者の声」を読んでほしい。
書いてあるのは、
「ここまで改善されました!」
「この先の未来が明るくなりました」
「体調が良くなったので良かった」
「海外旅行にも行くことができました」
という「主観的」なことばかりで、
「病状の経過」「医師の診断」などの「客観的」な状態は書いていない事がほとんど。
3:なぜ広告を出しているのか?
ネットで検索すると沢山の広告が目にとまる。
しかし、基本的に、
「広告を出している」という時点で「お金を儲けようとしている」行動ではないだろうか?
もちろん例外はあるが、
広告主は癌という病気を「利用」して、商売をしようとしている。
あなたのガンを治してあげたいから、
あなたのためを想って「紹介」しているのではない。
「ビジネス」という方向から見ると、がん関連の商品、サービスは、高額でも売れる。
それはそうだろう。
命がかかっているのだから。
売れるから、
そこには多くの販売者が群がり、「いかに売るか?」にしのぎを削っている。
つまり、
こちらの心理をうまく利用して商品を売る計画を練っているのである。
また、もちろん、
広告を出すにも、お金がかかっている。
広告を出す位置は、目立つ所にあればあるほど高額だ。
検索結果の1ページ目に表示される広告などは、皆、かなりのお金を払って表示させている。
なぜ、そんなにお金をかけて広告を出すのか?
その分の見返り(お金)が入るからではないのか?
どうか、その療法に飛びつく前に冷静になって考えてほしい。
彼らはあなたのカラダの事など考えていないのでは?
気をつけたいのは、
インターネットで調べていると「ある情報」を見つけて「これはあまり知られていない、お宝情報なのではないか?」と、まるで「宝物」を見つけたかのような錯覚に陥る事があるという事。
そして、この錯覚は書店でめぐりあう「出版物」にも多い。
ちなみに、
本を出版するメリットは、
など。
1,000円程度で出版をすれば多くの人の目に触れるし、何より世間的に影響力を持てるようになる。
「本を出版しているなら信頼が置ける」
「本を出しているくらいだから、この人の療法は本物だ」
そう思われることで何かと商売がやりやすくなる。
しかし、それが「本物かどうか?」はまったく別の話。
いったい、
その情報が「どんな考え、おもわく、もくろみ」で発信されているのか?
「お金儲けのため」なのか?
それとも、
「あなたの体のため、命のため」なのか?
きちんと見極めたい。
■ だまされないための3つのヒント
1:信頼できるサイトを軸に探していく
個人的に、信頼のおけるウェブサイトを5つ。
⇒NPO法人キャンサーネットジャパン
(がんに関する情報サービス)
⇒臨床研究(試験)情報検索
癌の最新治療の臨床研究(試験)や
治療薬開発の内容が検索できる
上部の検索窓に「胃がん」などと入力し「検索」をクリック。
最新治療の臨床試験に参加することも可能
⇒がん情報サイト
(日本で唯一、米国国立がん研究所(NCI)とライセンス契約し
世界最大、最新のがん情報の日本語訳サイト)
⇒乳がん情報ネット
(もしかして乳がん?という方から、治療後の療養生活までの
不安や疑問に応えてくれるサイト)
⇒がん情報サービス
(国立がん研究センターのウェブサイト)
上記サイトの使い方のヒントとして、
サイト内の情報”のみ”ではなく、サイトの中に散りばめられている「外部サイトへのリンク」をたどって行く。
正しい場所は、ほとんどの場合「リンク」という道でつながっている。
つまり、
正しいサイトからつながるリンク先というのは、
信頼度の高いサイトであることがほとんど。
リンクを掲載するには、リンク先の情報を確認してから掲載するものだから。
ひとつのサイトには数多くのリンク先が掲載されているから、それだけでもかなりの情報量になる。
また、
商品を売ろうとしているウェブサイトはサイト作成会社に有料で依頼している事がほとんど。
こうなると、「作る側」もプロなので、
サイトを読めば読むほど(これなら治るんじゃないか?!)と、こちらの気持ちにつけ入るような魅力的な文章・構成になっているのでまるで「麻薬」のように、その方法を試したくて試したくて仕方がなくなってしまう。
このような場合、ひとりで先走りしないで、第三者の意見も聞きながら慎重に考えたい。
2:こんな性格の人は要注意!
これは「探す側の人」の問題だが、
物事、なんでも「正しいのか?間違っているのか?」を分けたがる性格の人がいる。
「白か?黒か?」と。
医療とは「あいまい」なものなのに、その中間の「グレー」では気が済まないのだ。
つまり、治療においても
「効くか、効かないか」
「良いか、悪いか」をハッキリさせたがるので
逆に、
「今までの、このような常識は間違い!命を縮める!
本当は、この方法が正解!医者の言いなりは危険!」というような
「断定した意見」に流されやすい「もろい」一面も持っている。
「熱しやすく、冷めやすい」という人も同じ傾向かもしれない。
また、「健康志向の強い人」も、「そんな食生活だから病気になるのだ。もっと、こういうのを摂るべき」などと強要しがち。
こういった人こそ、冷静に判断してほしい。
どうか、だまされないでほしい。
そして、たとえ見つかっても、
あなたにとって最善の治療なのかどうか?「やってみないと分からない」というのが真実。
「医療」とは、
白黒つけにくい、非常に曖昧なもの。
なぜなら、
相手は機械ではなく人間だからである。
一人ひとり、病状も体質も性格も違う。
機械のように、「このパーツが悪いから新品に交換してハイ完了」とはいかないのだ。
マニュアル通りにも進まない。
結局のところ
「完璧な判断方法」は、ない。
毎日毎日がんと向き合って35年の「ゴットハンド」と呼ばれるスーパー外科医でさえ“がんという病気には絶対がない”と本音をもらしている。
なぜ、医療とはこんなに”不確か”なのか?
患者本人からすれば、
担当医から一番欲しい言葉は「絶対に大丈夫!絶対に治る」という確信である。
もちろん、
医師だってそう言いたい。
しかし、言えない。
人間に【絶対】は無いからだ。
そう考えていくと、
「副作用が全くない」
「ガンが消える・治る」
という宣伝はウソということが分かる。
「天然」と、うたっているサプリメントや食品も、副作用が「必ず」無いわけではない。
つまり、
「天然」とは「安全」を意味しているのではないのである。
■「実際の体験」と「思い込み」
「実際の経験・体験」とは、何物にも代えがたい情報なので、実際にその療法を行った患者仲間の体験談も大切な判断材料となる。
可能なのは、「患者会」などの「横のつながり」
「重要な情報を持っている方」と、めぐり会う場合もある。
しかし、
たとえ有効な療法であっても「その人には効いたが自分には効かない」ということが起こりうる事も事実。
体質、年齢、性別 、病状など、それぞれに違うからだ。
また、
「効いているはずだ。」という思い込みも存在するので、全て鵜呑みにするのは危険。
なにしろ、かなりのお金をかけているので、他人に「効果がなかった」とは言えない(言いたくない?)人もいるからだ。
患者会などへの参加が難しい場合はネットを利用してみる。
たとえば、
公益財団法人「日本対がん協会」の、
がん相談ホットライン
看護師や社会福祉士が、患者さんや家族などからの相談にのってくれる。
相談は無料で、原則20分。
同じく、
公益財団法人「日本対がん協会」の、
医師による面接相談
医師が、がんに関する相談や質問を受けてくれるが診療はナシ。
面接は1人30分。
「Q&Aサイト」という手もある。
こういったサイトは「ひやかし」「ウソの情報」などは覚悟しないといけない。
しかし、まれに、実際の経験者からの情報が得られることがある。
⇒Yahoo!知恵袋
⇒教えて!goo
(個人的には「教えて!goo」の方が真面目な回答を得られる事が多いと感じる)
■ 治療法などをネットで探す時に陥りがちな間違いとは?
1:療法の押し売りにならないように
わたしの知人がガンになったとき、
一番イヤだったのは、友人や親戚からの「これ、効くらしいよ!!」という、たび重なる「薬・民間療法・食品」の押しつけだったという。
もちろんその人達は「よかれ」と思って言う。
しかし、当の本人はうんざりである。
というか、
ハッキリと嫌悪感を示していた。
「その高額な治療費はだれが払うの?あなたが払ってくれるの?」
「みんなで『これがいい』『アレが効く』だの 、もう疲れた。勘弁してほしい。」
こちらが勝手にどんどん突っ走ってしまい、肝心の患者本人を置き去りにしてはいないだろうか?
本人に「その気持ちに応えよう」と気がつかないうちにムリをさせてしまってはいないだろうか?
一旦、立ち止まろう。
一番大切なことは共に感じ、分かち合うこと。
患者本人が、たとえ「変なこと」を言い出しても、
まず一旦は、相手の言うことを受け入れてあげること。
たとえ不条理であっても。
そして、
それを共に感じ、分かち合うこと。
ただ、うなずいたり、手を握ってあげるだけでもいいではないか。
自分の気持ちを伝えるのは、それからである。
あなたは健康なのだから。
2:都合のよい情報だけを見ない
情報を得るということは、イコール、「事実を知る」ということ。
しかし、時として避けたい「事実」もある
とくに「がん」という病気に関しては多いだろう。
しかし、
そこを避けては真実の情報にたどり着けない。
自分に都合の良い情報だけを見ていては真実は見えてこない。
それは。。。とてもつらい事。
つまり、「それを受け入られる心」がそれだけの「覚悟」が、こちら(情報を探す私たち)にも求められる。
しかし、やはりそれでも一番つらいのは”本人”である。
つねに、「死」を突きつけられながら日々を過ごさないといけない、まるで綱渡りをしているかのような、その「恐怖・不安」が分かるだろうか・・・・・
大切な人のために、
必死で治療法を求める気持ちも、とてもよく分かる。
しかし、
患者本人の気持を理解して、受け入れ、見守り、支えることが何より大切でなないかと思う。
そして、
たとえ「効く」と言われている薬や療法でも、人によっては効かないことも現実にはある。
反対に、
「これは難しい」という患者さんが、再発や転移もなく回復、治ゆしたという実例もある。
この病気に「絶対」は無い。
絶対は無いのだから、
「やってみないと分からない」というのが正直なところで、これが、医療の一番難しいところでもある。
最後に
がんは、一瞬で命を奪う病気ではない。
人によっては何年も、あるいは、まるで何もなかったかのように「生(せい)」をまっとうする事さえめずらしくない。
そして、
がんになって、はじめて見えてくる世界がある。
今まで「あたりまえ」だった事が、実は「あたりまえではなかった」という事に気がつく。
「眠る」
「食べる」
「排泄する」
「笑う」
「歩く」
「話す」
すべてが当たり前ではない。
わたしは、家内のがんを通して、
「ガンになった」ということは、人生の中で「自分が生きていく意味、価値」「感謝の気持ち」を、見つめ直す時を頂いたのだと考える。
そして、そこを自分の中の軸にしたならば、
自分は何のために生きていく
誰のために生きていく
そこにとても大きな意味が見えてくる。
それは、がんになっていない人よりも、他の誰よりも充実した前向きな価値のある人生になるのではないかと考えている。
⇒「まどわされない!ネットで見つけた癌の治療方法は本当に効くのか?」
の、続きです。
わたしの家内は「胃がん」になり、胃と脾臓(ひぞう)を全摘してしまった。
「なんとかしたい!」
必死にすがりたい一心でネットを検索すると、たくさんの癌(がん)治療方法が目に入ってくる
それは本当に正しい選択なのだろうか?
とても高額な治療費を払ってでも行う価値があるのだろうか?
ここでは、
・だまされないで見極めるために知っておきたいこと
・ネットで探す時に陥りがちな間違いとは?
を、解説していきたい。
■治療方法を見極めるために知っておきたい3つのこと
1:医師の推薦はあてにならない
いわゆる「キャッチコピー」だけを読んでおどらされるのではなく、冷静に、根拠、理由を確認する。
選ぶ際、ここは時間を掛けたいところ。
「●●医師も推薦!」
なんていう「根拠」では、何の証拠にもならない。
その医師は、販売会社にお金で雇われて宣伝しているだけ。
悲しいことだけど、お金に目が眩んで「広告塔」になっている医師も実在している。
一例として、
がん治療効果をうたった商品の販売を手助けしていたとして東京医科歯科大学名誉教授の医師が書類送検されている(2014.3.10)
この医師は
「他人の研究」をコピーして書いただけの研究結果で、4年以上も違反に荷担し1千万円以上を受け取っていた。
また、
ある「がん放置療法」を唱える医師は「150人の患者さんに試した結果、有効性を確証した」と言っているが
これは前回の記事で書いた、セレクション・バイアスそのもの。
やはり、公平性、信頼性に疑問が残る。
2:詐欺師のやり方とは
基本的に人間は「生(せい)」や「死」を連想させる言葉や情報はどうしても見過ごすことができないもの。
こちらを不安にさせてお金を払わせるテクニックは詐欺師や霊感商法の常套句
いかにも、こちらが「間違った治療方法を行っている」ような錯覚を起こさせ、「早く私のところへ来て下さい」と手をこまねいている。
もう一度、冷静に「患者の声」を読んでほしい。
書いてあるのは、
「ここまで改善されました!」
「この先の未来が明るくなりました」
「体調が良くなったので良かった」
「海外旅行にも行くことができました」
という「主観的」なことばかりで、
「病状の経過」「医師の診断」などの「客観的」な状態は書いていない事がほとんど。
3:なぜ広告を出しているのか?
ネットで検索すると沢山の広告が目にとまる。
しかし、基本的に、
「広告を出している」という時点で「お金を儲けようとしている」行動ではないだろうか?
もちろん例外はあるが、
広告主は癌という病気を「利用」して、商売をしようとしている。
あなたのガンを治してあげたいから、
あなたのためを想って「紹介」しているのではない。
「ビジネス」という方向から見ると、がん関連の商品、サービスは、高額でも売れる。
それはそうだろう。
命がかかっているのだから。
売れるから、
そこには多くの販売者が群がり、「いかに売るか?」にしのぎを削っている。
つまり、
こちらの心理をうまく利用して商品を売る計画を練っているのである。
また、もちろん、
広告を出すにも、お金がかかっている。
広告を出す位置は、目立つ所にあればあるほど高額だ。
検索結果の1ページ目に表示される広告などは、皆、かなりのお金を払って表示させている。
なぜ、そんなにお金をかけて広告を出すのか?
その分の見返り(お金)が入るからではないのか?
どうか、その療法に飛びつく前に冷静になって考えてほしい。
彼らはあなたのカラダの事など考えていないのでは?
気をつけたいのは、
インターネットで調べていると「ある情報」を見つけて「これはあまり知られていない、お宝情報なのではないか?」と、まるで「宝物」を見つけたかのような錯覚に陥る事があるという事。
そして、この錯覚は書店でめぐりあう「出版物」にも多い。
ちなみに、
本を出版するメリットは、
- 社会的信頼度が上がる
- 取材やセミナー講師により収入を得られる
- 印税が入る
など。
1,000円程度で出版をすれば多くの人の目に触れるし、何より世間的に影響力を持てるようになる。
「本を出版しているなら信頼が置ける」
「本を出しているくらいだから、この人の療法は本物だ」
そう思われることで何かと商売がやりやすくなる。
しかし、それが「本物かどうか?」はまったく別の話。
いったい、
その情報が「どんな考え、おもわく、もくろみ」で発信されているのか?
「お金儲けのため」なのか?
それとも、
「あなたの体のため、命のため」なのか?
きちんと見極めたい。
■ だまされないための3つのヒント
1:信頼できるサイトを軸に探していく
個人的に、信頼のおけるウェブサイトを5つ。
⇒NPO法人キャンサーネットジャパン
(がんに関する情報サービス)
⇒臨床研究(試験)情報検索
癌の最新治療の臨床研究(試験)や
治療薬開発の内容が検索できる
上部の検索窓に「胃がん」などと入力し「検索」をクリック。
最新治療の臨床試験に参加することも可能
⇒がん情報サイト
(日本で唯一、米国国立がん研究所(NCI)とライセンス契約し
世界最大、最新のがん情報の日本語訳サイト)
⇒乳がん情報ネット
(もしかして乳がん?という方から、治療後の療養生活までの
不安や疑問に応えてくれるサイト)
⇒がん情報サービス
(国立がん研究センターのウェブサイト)
上記サイトの使い方のヒントとして、
サイト内の情報”のみ”ではなく、サイトの中に散りばめられている「外部サイトへのリンク」をたどって行く。
正しい場所は、ほとんどの場合「リンク」という道でつながっている。
つまり、
正しいサイトからつながるリンク先というのは、
信頼度の高いサイトであることがほとんど。
リンクを掲載するには、リンク先の情報を確認してから掲載するものだから。
ひとつのサイトには数多くのリンク先が掲載されているから、それだけでもかなりの情報量になる。
また、
商品を売ろうとしているウェブサイトはサイト作成会社に有料で依頼している事がほとんど。
こうなると、「作る側」もプロなので、
サイトを読めば読むほど(これなら治るんじゃないか?!)と、こちらの気持ちにつけ入るような魅力的な文章・構成になっているのでまるで「麻薬」のように、その方法を試したくて試したくて仕方がなくなってしまう。
このような場合、ひとりで先走りしないで、第三者の意見も聞きながら慎重に考えたい。
2:こんな性格の人は要注意!
これは「探す側の人」の問題だが、
物事、なんでも「正しいのか?間違っているのか?」を分けたがる性格の人がいる。
「白か?黒か?」と。
医療とは「あいまい」なものなのに、その中間の「グレー」では気が済まないのだ。
つまり、治療においても
「効くか、効かないか」
「良いか、悪いか」をハッキリさせたがるので
逆に、
「今までの、このような常識は間違い!命を縮める!
本当は、この方法が正解!医者の言いなりは危険!」というような
「断定した意見」に流されやすい「もろい」一面も持っている。
「熱しやすく、冷めやすい」という人も同じ傾向かもしれない。
また、「健康志向の強い人」も、「そんな食生活だから病気になるのだ。もっと、こういうのを摂るべき」などと強要しがち。
こういった人こそ、冷静に判断してほしい。
どうか、だまされないでほしい。
そして、たとえ見つかっても、
あなたにとって最善の治療なのかどうか?「やってみないと分からない」というのが真実。
「医療」とは、
白黒つけにくい、非常に曖昧なもの。
なぜなら、
相手は機械ではなく人間だからである。
一人ひとり、病状も体質も性格も違う。
機械のように、「このパーツが悪いから新品に交換してハイ完了」とはいかないのだ。
マニュアル通りにも進まない。
結局のところ
「完璧な判断方法」は、ない。
毎日毎日がんと向き合って35年の「ゴットハンド」と呼ばれるスーパー外科医でさえ“がんという病気には絶対がない”と本音をもらしている。
なぜ、医療とはこんなに”不確か”なのか?
患者本人からすれば、
担当医から一番欲しい言葉は「絶対に大丈夫!絶対に治る」という確信である。
もちろん、
医師だってそう言いたい。
しかし、言えない。
人間に【絶対】は無いからだ。
そう考えていくと、
「副作用が全くない」
「ガンが消える・治る」
という宣伝はウソということが分かる。
「天然」と、うたっているサプリメントや食品も、副作用が「必ず」無いわけではない。
つまり、
「天然」とは「安全」を意味しているのではないのである。
■「実際の体験」と「思い込み」
「実際の経験・体験」とは、何物にも代えがたい情報なので、実際にその療法を行った患者仲間の体験談も大切な判断材料となる。
可能なのは、「患者会」などの「横のつながり」
「重要な情報を持っている方」と、めぐり会う場合もある。
しかし、
たとえ有効な療法であっても「その人には効いたが自分には効かない」ということが起こりうる事も事実。
体質、年齢、性別 、病状など、それぞれに違うからだ。
また、
「効いているはずだ。」という思い込みも存在するので、全て鵜呑みにするのは危険。
なにしろ、かなりのお金をかけているので、他人に「効果がなかった」とは言えない(言いたくない?)人もいるからだ。
患者会などへの参加が難しい場合はネットを利用してみる。
たとえば、
公益財団法人「日本対がん協会」の、
がん相談ホットライン
看護師や社会福祉士が、患者さんや家族などからの相談にのってくれる。
相談は無料で、原則20分。
同じく、
公益財団法人「日本対がん協会」の、
医師による面接相談
医師が、がんに関する相談や質問を受けてくれるが診療はナシ。
面接は1人30分。
「Q&Aサイト」という手もある。
こういったサイトは「ひやかし」「ウソの情報」などは覚悟しないといけない。
しかし、まれに、実際の経験者からの情報が得られることがある。
⇒Yahoo!知恵袋
⇒教えて!goo
(個人的には「教えて!goo」の方が真面目な回答を得られる事が多いと感じる)
■ 治療法などをネットで探す時に陥りがちな間違いとは?
1:療法の押し売りにならないように
わたしの知人がガンになったとき、
一番イヤだったのは、友人や親戚からの「これ、効くらしいよ!!」という、たび重なる「薬・民間療法・食品」の押しつけだったという。
もちろんその人達は「よかれ」と思って言う。
しかし、当の本人はうんざりである。
というか、
ハッキリと嫌悪感を示していた。
「その高額な治療費はだれが払うの?あなたが払ってくれるの?」
「みんなで『これがいい』『アレが効く』だの 、もう疲れた。勘弁してほしい。」
こちらが勝手にどんどん突っ走ってしまい、肝心の患者本人を置き去りにしてはいないだろうか?
本人に「その気持ちに応えよう」と気がつかないうちにムリをさせてしまってはいないだろうか?
一旦、立ち止まろう。
一番大切なことは共に感じ、分かち合うこと。
患者本人が、たとえ「変なこと」を言い出しても、
まず一旦は、相手の言うことを受け入れてあげること。
たとえ不条理であっても。
そして、
それを共に感じ、分かち合うこと。
ただ、うなずいたり、手を握ってあげるだけでもいいではないか。
自分の気持ちを伝えるのは、それからである。
あなたは健康なのだから。
2:都合のよい情報だけを見ない
情報を得るということは、イコール、「事実を知る」ということ。
しかし、時として避けたい「事実」もある
とくに「がん」という病気に関しては多いだろう。
しかし、
そこを避けては真実の情報にたどり着けない。
自分に都合の良い情報だけを見ていては真実は見えてこない。
それは。。。とてもつらい事。
つまり、「それを受け入られる心」がそれだけの「覚悟」が、こちら(情報を探す私たち)にも求められる。
しかし、やはりそれでも一番つらいのは”本人”である。
つねに、「死」を突きつけられながら日々を過ごさないといけない、まるで綱渡りをしているかのような、その「恐怖・不安」が分かるだろうか・・・・・
大切な人のために、
必死で治療法を求める気持ちも、とてもよく分かる。
しかし、
患者本人の気持を理解して、受け入れ、見守り、支えることが何より大切でなないかと思う。
そして、
たとえ「効く」と言われている薬や療法でも、人によっては効かないことも現実にはある。
反対に、
「これは難しい」という患者さんが、再発や転移もなく回復、治ゆしたという実例もある。
この病気に「絶対」は無い。
絶対は無いのだから、
「やってみないと分からない」というのが正直なところで、これが、医療の一番難しいところでもある。
最後に
がんは、一瞬で命を奪う病気ではない。
人によっては何年も、あるいは、まるで何もなかったかのように「生(せい)」をまっとうする事さえめずらしくない。
そして、
がんになって、はじめて見えてくる世界がある。
今まで「あたりまえ」だった事が、実は「あたりまえではなかった」という事に気がつく。
「眠る」
「食べる」
「排泄する」
「笑う」
「歩く」
「話す」
すべてが当たり前ではない。
わたしは、家内のがんを通して、
「ガンになった」ということは、人生の中で「自分が生きていく意味、価値」「感謝の気持ち」を、見つめ直す時を頂いたのだと考える。
そして、そこを自分の中の軸にしたならば、
自分は何のために生きていく
誰のために生きていく
そこにとても大きな意味が見えてくる。
それは、がんになっていない人よりも、他の誰よりも充実した前向きな価値のある人生になるのではないかと考えている。
- 関連記事
-
- がん手術後の自宅ケア | 落ち込み暗くならにために
- 胃がん術後のうつ病 | こうしたら楽になった
- 癌治療の民間療法・代替治療は有効なの?見分け方と陥りがちな間違い
- 妻が胃癌の宣告をされた | 告知された家族として
- 大丈夫!胃がん全摘出しても術後は普通の食事がとれる